綾美姫、挑戦の物語へ

福岡県八女郡広川町で、いちご農家を営む石川農園。
この物語は、そこで生まれた
オリジナルブランドいちご「綾美姫」を開発・育成してきた挑戦から始まります。
苺を育てることと、
苺を“売る”ことは、まったく別の話でした。
どれだけ想いを込めて育てても、
どれだけ自信のある品種でも、
市場に出れば、すべては「価値」で判断されます。
味、見た目、価格、希少性――
評価されるのは、苺そのものだけではありません。
実はこの挑戦は、
新規就農した当初からお世話になってきた
農協のいちご部会を抜けるという決断から始まりました。
安定や安心を手放す不安。
周囲からの声。
本当に、この道でやっていけるのか――
迷いがなかったと言えば、嘘になります。
中でも、
一番心配していたのは、妻でした。
収入のこと。
生活のこと。
そして、家族のこれから。
一方で、当の私はというと、
正直なところ、
根拠のない自信だけがありました。
「きっと大丈夫だ」
「いや、必ず道はある」
理由を並べられるほどの材料はなくても、
自分の手で育て、向き合ってきたこの苺なら、
必ず誰かに届く――
そんな感覚だけを、信じていました。
それでも私は、
「綾美姫」という苺を、
自分の責任で、
自分の言葉で、
自分の価値観で届けたいと思ったのです。
価格、数量、届け方。
そして――
本当に、この苺を待ってくれる人はいるのか。
ここからは、
綾美姫を「どう育てたか」ではなく、
「どう世に届け、どう価値をつくっていくのか」
福岡・広川町発、
オリジナルブランドいちご「綾美姫」の
挑戦の記録です。

